やればやるほど夢中になる 。「PHILE WEB」チーフディレクターが、“普通の人” の感覚で持ち続けるこだわりとは。
音元出版の“中の人”のストーリー集<Ongen Stories>
Vol.4:Natsuki Kawata
音元出版の「PHILE WEB(ファイルウェブ)」は、AV/オーディオ/モバイルのカテゴリーを専門とするウェブ媒体。日々のニュースからレビュー、インタビューなど独自の記事を数多く発信しています。そうした記事の制作から、広告に関わる案件の担当・運用までマルチな業務をこなす川田さんが、日々のことやこれまでのことをあらためて振り返り、語ってくれました。
川田菜月 Natsuki Kawata
株式会社音元出版 メディア事業本部 PHILE WEB編集部 チーフディレクター
(Profile)
2016年3月 株式会社音元出版に正社員として入社、PHILE WEB編集部に配属。2020年1月 PHILE WEB編集部ディレクターに就任。2021年6月チーフディレクターに就任。ウェブ媒体「PHILE WEB」のデイリーニュース記事を始め、特集記事など各種の記事作成を手がけるほか、タイアップ記事広告、バナー広告などの企画提案から作成、運用といった一連の広告関連業務も担当。PHILE WEBのユーザーデータを活用したデジタル広告運用サービス「PHILE WEB Smart Ads」を手掛けている。(2024年3月 株式会社音元出版退社)
自分を見つめ直し異業種から転身
WEBの記事、広告の全方位を担当
ーー PHILE WEB編集部でチーフディレクターとして活躍されている川田さんに登場いただきました。今担当されているお仕事の内容を教えて下さい。
川田 PHILE WEBは、オーディオやAV、デジタルガジェットの分野で、ニュースや製品レビュー、人物インタビューなどをお届けしている専門サイトです。私自身は編集部で、製品レビューやニュース、インタビュー記事を制作するのがメインの業務ですが、PRに関連した記事の作成も含めて、数社のクライアント様への対応も担当しています。
記事作成の作業では、評論家の方々にご協力いただいて取材をセッティングして、写真撮影も自分で行う場合が多いです。ページのデザイン案はもちろん、時には広告運用に関連するバナーのデザインも考えます。レポートする製品の内容やイメージに合うものを、WEBデザインのサンプルを参考にしながら決めていく感じです。日々のニュース記事の執筆もありますが、最近ではどちらかというと、記事をチェックすることの方が多くなっています。
それから、音元出版が昨年から手がけるようになった「PHILE WEB Smart Ads」という新しい広告運用サービスの案件を、いくつか担当させていただいています。PHILE WEBのユーザーデータをもとに、記事やキャンペーンやイベント告知ページにマッチするユーザーを、効果的に集客することが可能なサービスです。限られたご予算内で最大の効果が出せるよう、いろいろな調整を行っています。
ーー とても重要なたくさんの業務に携わっておられますね。音元出版に入る前も、同様のお仕事をされていたんですか?
川田 音元出版に入社する前は、ずっと人事系の仕事をしていました。あるメーカーさんのグループ会社の人事に携わって、その後はグループ全体の健康保険と社会保険の業務を行ってきました。学校を卒業してから7年間くらいずっと、管理部門の仕事を経験してきたんです。
ーー 今とは全く違うお仕事ですよね。音元出版に入社されるまで、どんな経緯があったんでしょうか。
川田 その会社がつくるプロダクトが、子供のころから大好きだったんですね。ひとまわり年の離れた兄が、携帯電話とか、音楽プレーヤーとか、当時最先端のものを使っていて、かっこいいなあと羨ましく思っていたんで、その会社に何とかして関わりたかったんです。新卒で、運良くグループ会社に入れていただけて、グループ人事の仕事に就きました。
人事の仕事は大変でしたが、憧れた会社のグループの一員として、一生懸命に頑張りました。そこからグループの再編などがあって、いちグループ会社の人事から、全体の健康保険・社会保険に携わることになって。幅も広がってやりがいはありましたが、社員の方々との距離が生まれて、ちょっと引いた立場になった気がしたんですね。ちょうどその頃、年齢的にも節目の時期が近づいていて、あらためて自分はこれから何をしたいかなと考えたんです。
私は小さい頃から絵を描くのが好きで、当時にしてはパソコンにもわりと早く触れていたので、中学生の頃には自分のウェブサイトを作って絵を載せていました。そういうのを思い出して、ウェブ関係がまず頭に浮かんできました。
そんな状況の中で、音元出版のPHILE WEB編集部の募集を見つけたんです。自分の興味があることと同じような方向性だという感じがしましたし、「未経験でも大丈夫」って書いてあったので応募しました。これまで続けてきた人事系の仕事からは、全く違う方向への転身でしたが、今までの「ただ一つの会社が好きで、何でもいいから関わっていたい」というところから、これから先の生き方を考えた時に、新しいコトをやってみたくなったんだと思います。
どんな仕事に対しても
モチベーションを持ってやっていける
ーー お兄さんが持っていたカッコいいものが羨ましかった、そういうガジェットが以前から好きだったところは、今の仕事に役に立っているんじゃないですか?
川田 そうですね、ガジェットに対する興味は強い方かもしれません。そういえば、音元出版に入る前に一度、前の会社の友人と一緒に、今よく取材でお邪魔しているヘッドホンのイベントに行ったこともあるんです。以前人事をしていたグループ会社では、BAドライバーの開発にも携わっていたので、それを初搭載した3BAイヤホンを聴いて、それまで深く意識していなかったイヤホンの「音」に対して、初めて違いを感じたりして、ちょっと興味が湧いていたところだったんですが、イベントではもっと深い世界が広がっていて、結構衝撃でした。
私は自分のことを、この編集部の中で一番 “普通の人” だと思っています。すごい知識を持っているメンバーはたくさんいるんですけど、私はわりとミーハーに色んなものと接していて、いつも新鮮な驚きがあるというか。新製品や技術にびっくりしたり、わくわくしたりしています。
記事の制作では、ハイファイオーディオやガジェットの深い情報を求めて来られるPHILE WEBの読者の方々に対して、“刺さる” 表現を工夫しています。けれども音元出版の発信する情報は、いわゆるマニアの方々だけでなく、いろいろな志向の方々に向けられています。
そこで私は、自分と同じく “普通の人” にも興味を持ってもらえるように、記事の見せ方は出来るだけ頑張っていたいと思っています。たとえば製品写真は、明るくきれいに写したいのはもちろん、製品を持つ手も荒れていない方がいいなとか。テキストも間違いがなく、文章が読みやすいようにしっかり校正したい。記事の中身がより伝わるよう、見映えにも気をつけたい。そう思って作業しています。
広告やランディングページのデザインの仕事を少しずつやらせていただくようになってから、町中やネット上の広告がカッコいいな、おしゃれだなと思って目に留まると、写真に収めておくようになりました。そういうものを参考にして、2つか3つくらいのパターンを作ってブラッシュアップしていく。やってみて気づいたことですが、そういう作業が好きなんだと思います。
ーー まったく違うお仕事を経験した後、音元出版に入社してご苦労はありましたか?
川田 ありがたいことに、当時の先輩方は新卒社員に接するように、本当に手厚く面倒みてくださいまして。それで私も、わりと早く順応していけたと思います。最初は、先輩が担当している業務にアシスタント的な立場で関わらせていただいて、その経験を重ねてきました。この2年くらいで、一人で先方の担当の方と打ち合わせさせていただくようになった感じです。
私は何かスペシャリティがあるわけではないんですが…。ここ最近、製品の魅力をどういうふうに伝えたらいいかな、ということを自分なりに考えられるようになってきたと思うので、できることは増えたとは感じています。
ーー 広告運用のような、いわゆる媒体の編集とは違う角度の業務に携わるのに抵抗はなかったですか。
川田 全然ないですね。私は仕事に関して、内容がどうであってもあまり抵抗がなく、モチベーションを持ってやれていると思っています。
記事を制作するときは、その情報を探しに来てたどり着いた、こだわりの読者の方の目にとまるような表現が求められますけど、広告は不特定多数の方々に向けられて、目に止まったら初めて見る情報に気づいていただけるわけじゃないですか。
だから広告の運用を担当するのも、モチベーションが上がりますよね。良い結果が出てくれると、次はもっと突き詰めてやっていこうと考えて設計します。やればやるほど良い結果が出せるんじゃないかと思って、自分のこだわりがどんどん細かくなっている気がします。
これまで吸収してきたものを
アウトプットできるようにしたい
ーー これから先、どんなふうになりたいと思われますか。
川田 そうですねえ…しゃべっていて思ったんですけど、広告運用も、写真も、ページのデザインも、自分なりにこだわってやっていますが、勉強してもっとうまくなりたいなあっていうのはあるかもしれないですね。そうして吸収していったものを、ちゃんとアウトプットできるようにしたいです。
特別な趣味はあんまりなくて、買い物に行ったり散歩して、疲れたらコーヒーを飲んで、家でネイルをやったりしてます。あとは昔からテレビが好きで、いつも見てますね。特に興味がない番組でも、ただ流れてくるものを見ていることもあります。
そうすると、意識してなくても雑多に色んな情報が入ってくるし、なんとなく一般的な感覚も忘れずにいられる気がします。自分の価値観や好きなものだけの考えにならずに、幅広い世界に勝手に触れられるというか、そういう面もあるなと思ってます。
あとはもっとネイルうまくなりたいとか、痩せたいとか(笑)。仕事もプライベートも、きっとまだ満足していないんで、今より少し良い状態を目指してちょっと頑張る、を繰り返し、続けていきたいかなと思います。
ーー 音元出版に関心を持ってくださる人たちに、メッセージはありますか。
川田 音元出版の色々な媒体を見ると専門的で、自分にはできそうにないと思う方もいるかもしれないですけど、そんなことはないです。最初はあまり興味を持てないことでも、触れていけばそれなりに面白いことがきっと見つかると思います。
編集の仕事はクリエイティブな側面が強いですけど、自分で考えてそれが形になっていくのは単純に面白いですよ。私は入社して6年経ちましたが、入社当時から変わらず一人の一般消費者であって、その感覚があるからこそ、やれることもたくさんあるなと思っています。
もちろん、すごく知識のある先輩や後輩もたくさんいますし、専門性を活かしたい人に向いている会社だと思います。それに、年齢が若くて経験が浅くても、いろいろなことに挑戦させてもらえる機会も多いですし、自分らしくいられる環境じゃないかと思います。新しいことにも積極的に取り組む会社でもあるので、ちょっとでも関心を持ってもらえたら嬉しいですね。
– END –